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理学療法・作業療法|高血圧の治療薬 その③ β遮断薬

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おはようございます。毎週土曜日、リハビリ専門コラム(内部障害)担当の眞鍋です。

 

今回は前回に続き高血圧関係です。

 

高血圧の薬物療法と言えば

 

  • カルシウム拮抗薬
  • β遮断薬
  • ACE阻害薬
  • ARB
  • 利尿薬

 

が代表的です。

 

その中で今回はβ遮断薬についてお話したいと思います。

 

※私は理学療法士であり

医師や薬剤師のような薬の専門家ではございません。

あくまで自己学習した内容を記載しておりますので

詳細は専門家に確認してください

β遮断薬のメカニズム

 

β遮断薬はイメージはしやすいかもしれません。

 

交感神経の神経伝達物質であるカテコラミンの受容体として知られている

β受容体を遮断する

ということなので、

簡単に言えば

交感神経の影響を抑制する薬

ということになります。

 

交感神経は戦闘など興奮時に活躍する神経なので、

その交感神経を抑制すれば血圧が下がる、

なんとなく理解しやすいのではないでしょうか?

 

では、もう少し細かいところに突っ込んでいきたいと思います。

 

少々スライドが小さくて申し訳ないのですが、

向かって左側が細胞内シグナルを表しています。

 

英語ばっかりでさっぱりわからないですよね。笑

 

まず、β受容体には3種類あるんです、

心臓の作用に関しては主にはβ1受容体になります。

 

ですので、一番左のβ1受容体のシグナルの流れを右側に日本語で書きました。

 

β受容体はGタンパク質共役型受容体の代表です。

 

図のGSというのがGタンパクのことで、

このGタンパクと共役してアデニル酸シクラーゼを活性化します。

 

アデニル酸シクラーゼはcAMPを産生しPKA(プロテインキナーゼ)を活性化し、

これが様々な作用をもたらし、

結果的に心筋細胞の収縮・弛緩に大きく影響します。

 

これを古典的シグナル経路と呼ぶそうです。

 

要は細胞内のカルシウムイオン動態に作用することで

収縮を調整することができるということです。

 

ややこしいですね、すみません…

 

中身をすっ飛ばして言えば

交感神経刺激でβ1受容体が刺激されると、

心筋の収縮が強くなります。

 

だから、β遮断薬はその作用を抑制することで心筋の収縮を抑制することになります。

 

 

 

たくさんあるカテコラミン受容体

先ほど少し述べた通り、

カテコラミンの受容体は複数存在することがわかっています。

 

よく、強心薬の勉強をしていたら出てくると思います。

 

α作用、β作用ってやつです。

 

心臓については主にβ1受容体になりますが、

β遮断薬は何もβ1受容体だけを遮断するものばかりではありません。

 

先にβ遮断薬の種類と特性を載せておきます。

 

このように、β遮断薬によって遮断する受容体に差があるのです。

β1受容体選択的だと良いことは、

β2に作用が少ないことです。

 

β2受容体の遮断は気管支の収縮作用となりますので、

呼吸器系疾患患者さんにはデメリットとなります。

 

COPDや喘息の患者さんが利用している気管支拡張薬には

β2刺激薬が存在しますので、

拮抗してしまいますよね。

 

αβ療法遮断作用があるカルベジロール(アーチスト)なんかは

血管拡張作用も期待できるのでより降圧作用が望めます。

 

その反面、心拍数を下げる効果はやや劣るそうです。

 

β遮断薬に一番求めることは心拍数の抑制なので、

これはちょっとデメリットとなるかもしれませんね。

 

 

 

 

そもそも、高血圧治療において心拍数は意味があるのか?

 

高血圧の治療薬の中で主要降圧薬の中に

β遮断薬が入っています。

 

実は、

2014年のガイドライン改訂で第一選択薬からβ遮断薬は外れたのですが、

それは置いといて。

 

このように、

高血圧の中でも心不全や頻脈、虚血性心疾患の合併例において

特にβ遮断薬が推奨されているようです。

 

心不全においてはその病態の根幹に交感神経の亢進があるので、

病態的治療のためにも必要な治療薬となります。

 

あとは特に頻脈についてですが、

高血圧の治療となると血圧に目が行きがちですが、

脈が速い人だってたくさんいます。

 

この頻脈は放っておいていいの?

 

っていう疑問が生じます。

 

これは有名な研究なのですが、高血圧患者さんの心拍数によって4群に分けています。

 

High-High:治療開始前・終了時ともにHR≧81bpm

High-Low:治療によってHR≦80bpmとなった群

Low-High:治療開始前はHR≦80bpmであったが終了時にはHR≧81bpmとなった

Low-Low:治療開始前・終了時ともにHR≦80bpm

 

この4群で比較するとどうなったかというと、

終了時に心拍数が高い群は低い群に比べ死亡率が高くなりました。

 

つまり、

高血圧患者においても血圧だけではなく心拍数の管理も重要

だということです。

 

もう一つ、日本で行われた大迫研究というものがあります。

 

これも先ほどの研究と同様に

心拍数が予後予測因子となることを示した研究です。

 

何なら血圧よりも心血管疾患死のリスクを反映している

とも読み取れます。

 

ということで、

高血圧患者においても心拍数は低い方が予後がいいことがわかっています。

 

私の個人的な印象としては、

β遮断薬には降圧作用も期待はするけど、

一番期待していることは病態管理としての交感神経の抑制なんだと思います。

 

 

 

代表的なβ遮断薬

先ほど説明の中で載せてしまいましたが、

代表的なβ遮断薬です。

 

主には循環器疾患の患者さんが使用していると思います、

臨床で良く見かけるのはアーチストとメインテートです。

 

あとは胸に貼っているビソノテープもよく見かけますね。

 

オノアクトは注射で見かけます。

 

まとめ

 

 

いかがでしたか?

 

少々ボリュームが大きくなりましたが、

噛み応えのある内容だったのではないでしょうか?

 

β遮断薬は今後β3受容体に関する研究が進めば

また新たな動きがあるかもしれません。

 

数少ない心拍数を下げる薬ですので、

覚えておきましょう。

 

そして、心拍数が下がるということは

リハビリにも影響してきますよね?

 

β遮断薬の追加や新規処方には

よく注意して薬歴をみておくといいでしょう。

 

このような薬理学を理解しようと思うと

どうしても生理学の知識がひっかかってきます。

 

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【著者プロフィール】

理学療法士の生涯学習を支援するPorcsの代表。

急性期病院勤務理学療法士。専門は内部障害系理学療法。

理学療法士が生涯学べる環境を作りたいと考えています。

Webサイト:http://porcs.work/

FB:https://www.facebook.com/reha.internal/

 

 

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