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心不全患者のリハビリテーション(理学療法・作業療法)~病態把握と褥瘡予防~

投稿日:2019年7月27日 更新日:

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内部障害担当の眞鍋です。

今回は「心不全を理解するうえで大事だと日々感じること」を書きます。

心不全に限ったことではないのですが、病態の理解というのはリハビリ(理学療法・作業

療法)介入をする上で欠かすことができません。

いわゆる「メカニズム」についてです。

病態のメカニズムに関しては、

もちろん基礎的な循環器系の知識

心不全について明らかになっている事実

知っていることが前提となりますが、

そういう教科書的な知識ばかりではなく、

目の前の患者さんの

心不全の病態をストーリーとして捉える」

心不全が理解しやすくなります。

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1.【リハビリ】初発の心不全患者さんであれば、ストーリーは今回の入院から始まる?

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そういう患者さんもいるかもしれませんが、

「臨床ではほぼそうではない」

と考えてよいです。

全く何もなかった人が、

ある日突然心不全になる

というのは極めて稀だからです。

特に高齢心不全患者であれば、

必ず心不全に至った経緯があるはずです。

わかりやすいのは心筋梗塞でしょう。

過去に心筋梗塞を起こしている方で、

その後徐々に心臓に負担がかかってきて

心不全を発症した

なんとなくイメージが湧く

ストーリーではありませんか?

こういう時は、

「じゃあ、なぜその患者さんは

心不全になってしまったのか?」

そこを考えます。

例えば、

心筋梗塞はそもそも動脈硬化を基盤

としていますね。

ということは、

また別の冠動脈が狭窄してきて、

じわじわ血流が落ちてきて

ある時点で心不全を発症するに至った

これは、

十分あり得るストーリー

ですね。

では、

この場合問題となるのは

動脈硬化が進行している

こと。

「冠危険因子のコントロール

しっかりできていたのだろうか?」

というところが気になりますね。

2.【リハビリ職必須】心不全の原因は実に様々である

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実際に、こういう事例ではどうでしょうか?

もともと要介護4で施設に入所していた方。

心不全の既往があります。

今回は呼吸苦とSpO2の低下を

主訴として救急搬送され、

急性非代償性心不全として入院しました。

いわゆる

「ADHF、慢性心不全の急性増悪」

です。

熱発も伴っていたため検査した結果、

尿路感染症を併発していたこと

が分かりました。

このケースでは、

「どのようなストーリーを描きますか?」

少し考えてみて下さい。

心不全⇒尿路感染症

なのか?

「尿路感染症心不全

なのか?

ちょっと悩むかもしれませんね。

厳密にどちらかという判断は

難しいかもしれません。

ですが、

経過を問診することで

どちらが先かを予想することは

できる可能性が高いです。

ただ、心不全の原因として

このような感染症というのは

実はすごく多いのです。

感染症心不全の原因になる理由」は、

これまた「感染症」によりますし、

多岐に渡る要因」が考えられます。

「例えば熱発」

熱が出ると代謝が上がります。

代謝が上がるということは

心臓はたくさん酸素を

全身に送らないといけないので

仕事が増えます。

すると、

心筋酸素消費量が増え

心臓に負担がかかってきます。

尿路感染であれば

尿量が減ってしまえば

「結果的に循環血液量が増えて

前負荷が増大し、

心不全の要因になる」

かもしれません。

色々考えられますが、

とにかく感染症

心不全の原因として多い

ということは覚えておいてください。

3.【心リハの基礎】心不全再発予防を考える

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我々は常に再発予防を意識しています。

転倒して骨折した患者さんであれば、

次に転ばないように環境を整えたり、

立位バランスを評価、治療したり、

杖を利用したりと色々試行錯誤しますよね?

心不全も同様で、

再発するため予防が大事

です。

心不全の再発予防と言えば、

良くあるのが・・・

「塩分制限、水分制限」

です。

事実、

これらが十分にできず

再入院するケースは多く経験

します。

では、先ほどの症例のような

要介護4の方の場合どうでしょうか?

「施設入所ですし、

自分で塩分や水分を

過度に摂取したりはしない

可能性が高い」

ですよね。

「施設の方に指導する」

というのも一つの方法でしょう。

施設だって減塩食くらい

出している可能性は十分ありますが。

あまり活動性がない方であれば、

指導は不要でしょうか?

筆者は

「個人的にはNo」

と考えています。

本人への指導には限界がありますが、

「入院中~退院後、

心不全の増悪因子となり得る要因を

可能な限り減らすような取り組みを

できるのが理想」

です。

こういう活動量の低い方が、

再入院する理由で多いのは、

「やはり感染症

なのです。

肺炎

 

尿路感染

 

胆嚢炎

など。

これらは、

ある程度仕方のないものです。

免疫力の低下している

高齢者では完全に防ぐことは困難です。

もう一つ、意外に多いのが

「褥瘡からの感染や熱発による

心不全増悪」

です。

これは、

残念ながら院内でも

発生することがあります。

4.【PT・OTも知っておくべき】心不全患者さんは褥瘡が治りにくい

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病院、施設いずれの場所でも、

褥瘡予防のためのポジショニングや

体交を行っているはずです。

しかし、

ここは人間がやることなので、

どうしても防ぎきれずに

褥瘡ができてしまう、

褥瘡を持ち込みで入院してくる

ことはあります。

院内の理学療法士作業療法士としては、

「院内で新規発生の褥瘡は、

どうにかして防ぎたいもの」

です。

ここで覚えておいて欲しいのが

心不全患者さんは褥瘡が発生しやすく、

なおかつ治りにくい」

ということです。

循環が悪いと血流が途絶されやすいのです。

元々、動脈硬化の方も多いです。

やせ型の場合はさらに注意。

栄養状態も落ちていることが

多いので一度できると、

なかなか治癒せず時間がかかり、

その間にさらに心不全が悪化すること

もあります。

理学療法士作業療法士なら

「褥瘡ができやすい箇所、

褥瘡予防のポジショニングを熟知しているはず」

なので、

「病棟で基本通りのポジショニングを

実践して予防に努めて頂きたい」

ところです。

5.【まとめ】リハビリテーションにおける心不全の病態把握とメカニズム

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心不全は病態をストーリーとして考える

 

心不全増悪因子を理解する

 

・褥瘡予防も心不全予防の一歩になる

色々と書きましたが、

心不全においては病態の把握、

そのストーリーを推測する作業

はとても重要となります。

その中でも、

代表的な項目にばかり目を向けず、

様々な点に理学療法士作業療法士とし

て目を向ける必要があります。

褥瘡予防は当たり前のことなんですが、

心不全の方は麻痺があるわけでもなく

例えば、

「OHスケールなんかで見ると

浮腫の有無くらいしか

ひっかかる項目はありません」

軽度リスクという判断になるでしょう。

だから、

みんな安易に

セミファーラー位にして

管理します。

心不全の管理の基本姿勢だから

ということで。

そこで微妙に

ズレ応力が慢性的に生じてしまい、

気づけば仙骨に発赤が・・・

なんてことにならないように、

今回の記事・この知識を活用して

臨床に臨んで下さいね。

【著者プロフィール】

真鍋 周志

急性期病院勤務理学療法士

専門は内部障害理学療法

理学療法士が生涯学べる環境を作りたいと考えています。

ブログ:http://gigaantena.com/ptstudy/

FB:https://www.facebook.com/reha.internal/

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