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理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その⑥ 人工呼吸(陽圧換気)の種類 IPPV,NPPV,NHFの違いについて説明できますか?

投稿日:

おはようございます。

毎週土曜日、リハビリ専門コラム(内部障害)担当の眞鍋です。

前回に引き続き、

今回テーマも

「人工呼吸器について」となります。

 

前回の記事をまだご覧になってない場合はこちらもご覧ください。

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】人工呼吸器って怖いですか?その①(リハビリ)

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その② 人工呼吸器の歴史からモードや設定を理解する

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その③ 人工呼吸器の波形からリークを理解する

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その④ 最もよく使われているSIMVモードを理解する

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その⑤ アラームについて理解しよう

 

今週のテーマは、

「人工呼吸の種類」

です。

 

機械の種類ではありません。

 

各社が色々な製品を

出していますが、

それらを

網羅することには

あまり意味がありません。

 

非侵襲的陽圧換気

(NPPV:Noninvasive Positive Pressure Ventilation)

 

侵襲的陽圧換気

(Invasive Positive Pressure Ventilation:IPPV)

 

ネーザルハイフロー

(Nasal High Flow:NHF)

 

ここら辺について

ピンとこない場合は

今回の記事を

しっかりお読みください。

 

なんとなく聞いたことがある

という場合も

確認の意味も込めて

読んでもらえると幸いです。

 

人工呼吸器というのは

基本的に

すべて陽圧換気

(positive pressure ventilation)

です。

 

一方、

自発呼吸は必ず陰圧換気

です。

 

通常、私たちは

「横隔膜を使用して

胸腔に陰圧を

かけることで

空気が入ってくる」

 

これを「呼吸」と呼んでいます。

 

これは、

すごく大事なことなので

覚えておいてください

 

人工呼吸器は

換気を補助すること

ができるけど、

基本的に

「非生理的」

です。

 

どちらが良いかというと

もちろん

「陰圧換気」

なんです。

 

ただ、なかなか

陰圧換気を

人工呼吸器で

実現することが

難しいため

陽圧換気が主流

となっています。

 

理学療法士・作業療法士は必須知識|NPPVとIPPVの違い

 

これは比較的、簡単ですね。

 

「侵襲的か」

 

「侵襲的じゃないか」

 

の違いです。

 

「侵襲的」というのは

気管内挿管と気管切開

です。

 

「非侵襲的」というのは

マスクのこと

です。

 

歴史的にみると、

昔はIPPVしかなかった

んです。

 

だいたい2週間くらい

気管内挿管が続くと

気管切開の話が出ます。

 

気管切開をすれば

口周りが楽になるし、

患者さん自信の不快感は軽減

します。

 

口から食べることも

理屈上は可能です。

 

筆者も、

実際にそのような患者さんを

経験したことがあります。

 

ムセても

カフの上に貯まるので

誤嚥リスクが低い

です。

(カフはそういう目的のものではないのですが、結果的にそうなるということ)

 

不要になれば、

すぐに穴はふさがるので

外してしまえばいいんですが、

そうは言っても

「喉に穴をあける」

というのは

抵抗があるもの

です。

 

また、

「人工呼吸器=延命治療」

のような

イメージをもっている

一般の方も多い

です。

 

筆者は様々な理由で

気管切開に至り、

その後、

抜管ができなくなった

患者さんを

リハビリした経験

がたくさんあります。

 

やはり、

抜管は容易ではありませんが

不可能ではありません。

 

アメリカには、

そういう抜管を目指すための

専門機関のようなものが

あるそうですが、

日本では聞いたことがありません。

 

おそらく、

療養型の病院に入る

ことになると思います。

 

もし、あなたが

療養の病院で

働いていて

「人工呼吸器を

つけているけど、

他に問題がないから

ずっとここにいるのも

もったいないな」

という方は、

一度評価しなおす必要がある

かもしれません。

 

新兵器到来!NHFって何?


NHFというのは、

「高流量システム」

に分類される

酸素投与方法です。

 

高流量システムの代表が

「ベンチュリーマスク」

「インスピロンネブライザ」

です。

 

ベンチュリーマスクって、

「カラフルで音がうるさいやつ」

です。

 

これは、

「ベンチュリー効果」

というやつを利用

しています。

 

酸素を細いところを

通すことで

周囲の空気を取り込んで

一定の濃度にしています。

 

細いところを通すから

笛みたいな音がするんです。

 

高流量システムのメリットは、

「一定濃度の酸素を投与できること」

です。

 

一方、

定流量システム

(鼻カニューラや酸素マスク)は

酸素の流量は設定しますが

流量が人の息を吸う速度より遅いので

結局、周囲の空気と混じります。

 

強く吸えば濃度は薄くなり、

ゆっくり吸えば濃度は高くなる。

 

つまり、

「濃度が一定しないのがデメリット」

です。

 

NHFは、

ベンチュリーマスクより

高濃度の酸素投与が可能であり、

100%酸素の投与も可能です。

(ベンチュリーマスクは最大でも50%)

 

要するに、

NHFは

ものすごい流量の酸素を

出すことができるので、

患者さんが吸う空気を

すべて酸素にすることが

理論上は可能である

ということですね。

 

もちろん、

それだけではなく

他にもいくつかのメリットがある

と言われています。

 

呼吸器リハでは要確認|NHFのメリット

▽解剖学的死腔のウォッシュアウト効果

イメージは、

ものすごい速度の空気を

肺に流している感じです。

 

だから、

なかなか空気が届かなくて

CO2が貯まっているところでも

洗い流す(ウォッシュアウト)

ことができるので、

CO2の再吸収の抑制や

換気効率の向上を期待する

ことができるとされています。

 

▽PEEP効果

鼻から空気を流して

口を閉じていれば、

若干ではありますが

人工呼吸器のPEEPと

同じような効果を期待できる

とされています。

 

要は、

肺胞に

常に圧をかけておく

ことによって

虚脱

(ぺっちゃんこになること)

防ぐことができる

ということです。

 

よくある例えですが、

風船は一回目

膨らませるのは

大変ですが、

一度空気を少し入れてしまえば

そこから膨らませるのは

簡単ですよね?

 

それと同じで、

少しでも空気が入っている状態で

肺胞を膨らませるのは簡単ですが、

ぺちゃんこになってしまうと

(虚脱してしまうと)

膨らませるのに力が要ります

 

つまり、

膨らみにくい

(空気が入りにくい)

ということになります。

 

▽加温加湿効果

酸素投与で、

けっこう問題となるのが

空気の乾燥問題。

 

壁から出てくる酸素は

乾燥しきっているので

鼻やのどの粘膜を痛めて

しまいやすいです。

 

NHFは

加湿ができるので

その点は安心です。

 

リハビリ職も知っておこう|NHFの使い方


使い方は色々です。

というか、

はっきりとは決まっていない

と思います。

 

緊急時の第一優先は

患者さんの命ですから、

必要であれば

気管内挿管や気管切開

という選択肢をとります。

 

まず想像しやすい

NHFを使う方法としては、

それらの後療法としてです。

 

呼吸器から離脱して、

「そのままフリーでいける場合」

「NPPVを一時的に利用する場合」

があると思います。

 

NPPVの代わりに

NHFを介してフリーにする方法

があります。

 

NPPVも

一回換気量を設定できる

良い物ですが、

何より患者さんの

苦痛が強いのが問題

です。

 

その点、

NHFは鼻だけだし

会話もできるし

口から摂取もできるので

受容されやすい傾向

にあります。

 

他には、

最初からNHF

ということもあります。

 

酸素投与だけでは

心もとない場合や、

一定濃度の酸素を

投与したい場合

などです。

 

おそらく、

すでにそのような

使い方をしている施設は

多いのかもしれませんが、

酸素投与以上、

陽圧換気未満

としての

幅広い用途が期待されます。

 

ただ、ここだけの話

コスト的な問題

もあります。

 

詳細は記載しませんが、

NHFは、

ハイフローセラピーという算定

となり、

人工呼吸器としての算定ができません。

 

しかし、

大量の酸素を消費するため

コスト問題はまだ残っている

のだと思います。

 

【まとめ】人工呼吸器も種類が様々です


人工呼吸器も

どんどん進化して

良いものが登場

しています。

 

人工呼吸器

 

心電図

 

ペースメーカーなど、

我々理学療法士、作業療法士が

知っておかないといけない

機械は多く、

またその仕組みは

簡単には理解できません。

 

このシリーズが

勉強のきっかけに

なってくれれば

と願っています。

 

質問がありましたら下記の質問箱からお願いします。

≪リハスト公式質問箱≫

日々の臨床や仕事での悩みを受け付けています。

些細なことでも、どんどん質問して下さいね!

 

【著者プロフィール】

真鍋 周志

急性期病院勤務理学療法士

専門は内部障害系理学療法

理学療法士が生涯学べる環境を作りたいと考えています。

ブログ:http://gigaantena.com/ptstudy/

FB:https://www.facebook.com/reha.internal/

 

#理学療法士 #作業療法士 #リハビリ #人工呼吸器 #呼吸リハ

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