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理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その⑫ NPPVについて

投稿日:

 

おはようございます。

毎週土曜日、リハビリ専門コラム(内部障害)担当の眞鍋です。

 

前回に引き続き、今回も人工呼吸器の記事となります。

 

過去の記事がまだの方はこちらもご覧ください。

 

前回の記事をまだご覧になってない場合はこちらもご覧ください。

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】人工呼吸器って怖いですか?その①(リハビリ)

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その② 人工呼吸器の歴史からモードや設定を理解する

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その③ 人工呼吸器の波形からリークを理解する

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その④ 最もよく使われているSIMVモードを理解する

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理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その⑧ 5分でわかる人工呼吸器の用語 『VCV(従量式)』

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その⑨ 5分でわかる人工呼吸器の用語 『PCV(従圧式)』

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その⑩ PSとPCVの違いってなんだろう?

理学療法・作業療法|【シリーズ人工呼吸器】その⑪ グラフィックモニターに強くなろう!

今までは主に気管挿管を伴う

IPPV(Invasive positive pressure ventilation:侵襲的陽圧換気)

についてお話をしてきました。

 

今回は少しそこから離れて

NIPPVやNPPVと呼ばれる

非侵襲的陽圧換気(Non-invasive positive pressure ventilation)

についてのお話です。

 

何が非侵襲的なのかというと、

気管挿管を伴わないということです。

 

ここで、気管挿管が必要かどうかの判断が必要になります、

つまり

 

気管挿管+人工呼吸器管理

 

が必要なのか

 

人工呼吸器管理のみ

 

でいいのか、

 

ここで適応と禁忌の線引きがされると考えると

わかりやすいと思います。

 

では、まず気管挿管のメリットと適応について確認していきましょう。

 

 

 

気管挿管について

よく間違うのですが、

人工呼吸器を使用する、

ということと気管挿管をする、

ということは別です。

 

気管挿管するというのは、

気道確保をするために行います。

 

主な適応としては

 

意識障害などで気道を確保できない場合

喘息などで上気道閉塞の可能性がある

肺炎などで気道内分泌物を喀出できない

 

などが挙げられます。

 

ですので、このようなケースでは

NPPVを使用するということはありません。

 

あくまでもNPPVを使用するのは

気道に関するトラブルの可能性が少ないケースです。

 

そして、NPPVで開始したとしても

無理に引き延ばす方法は得策とは言えません。

 

侵襲的な治療をしたくないから、

と言ってNPPVを長引かせてしまって

状態が悪化しては元も子もないので、

ダメだと思ったらいつでもIPPVに切り替える必要があります。

 

NPPVの適応

昔はNPPVがなかったので、

人工呼吸器管理と言えばIPPVしかありませんでした。

 

そこに後からNPPVが登場し、選択の幅が広がりました。

 

NPPVの適応としては以下のようなものが挙げられます。

 

意識がよく協力的であること

 

循環動態が安定していること

 

気管挿管が必要でないこと

(気道が確保できている、喀痰の排出ができる)

 

マスクをつけることが可能なこと

 

消化管が活動している状態であること

 

NPPVは原則自発呼吸ですので、

問題となるのはその容認性です。

 

マスクをつけられると必ずしも呼吸が楽になるとは言えず、

不快感を強く感じる方もいます。

 

これは、自分でつけてみるのが一番だと思いますが、

正直慣れるまでは呼吸が楽だと感じないかもしれません。

 

 

NPPVのモード

NPPVの代表的なモードは

CPAPと二相式気道陽圧(Bi-level PAP)です。

 

CPAPは睡眠時無呼吸症候群などでも

利用するので馴染みがあるかもしれません。

 

NPPVは原則患者さんは自発呼吸をしているはずなので、

PEEPをかけて機能的残気量を増やして

酸素化を改善したり、

呼吸仕事量の軽減を図ることができます。

 

また、循環動態としては

胸郭内に陽圧をかけることで

静脈灌流を減らし、

心臓のポンプ機能をアシストするので

前負荷、後負荷の軽減が期待できます。

 

よって、心原性肺水腫や

心不全の患者さんの急性期管理として

NPPVを利用することはよくあることです。

 

Bi-level PAPというのはバイパップと言われます。

 

しかし、ここで非常にややこしいのがその呼び方です。

 

BIPAPというと、そのモードのことを指します。

 

BiPAPというのは人工呼吸器の名前です、

フィリップスという人工呼吸器メーカーが出している

人工呼吸器の機種の1つです。

 

これ、どれもバイパップと呼ぶからとっても紛らわしい、

だからこれらと区別するために

NPPVではBi-level PAPと表現することが多くて、

ガイドライン上もこのように表記されています。

 

ややこしいのですが、

ここらへんはまた別記事で説明することにしましょう、

とりあえず、二相式の陽圧換気のことだと理解してください。

 

CPAPはいわゆるPEEPをかけているだけです。

 

一方、Bi-level PAPは2種類の圧をかけます、

その差を利用して吸気と呼気を促します。

ただし、マスク換気なので、高い圧(IPAP)をかけた場合に

口を閉じていたり声門が閉じていると結局空気は肺の中に入っていきません。

 

また、マスクなのでリーク(漏れ)も多いので

一回換気量も気管挿管に比べると多めに設定する必要があります。

 

だいたい10~15ml/Kgと言われます。

 

つまり、あくまでも患者さんの

自発呼吸に依存するのがNPPVであるということを

しっかり理解しておく必要があるのです。

 

NPPVのトラブル

 

臨床でNPPVを使用している患者さんを診ていると

多くのトラブルを発見します。

 

24時間マスク換気を行うと、

様々なトラブルがあります。

 

・皮膚トラブル

 

最も遭遇頻度が高いです。

 

マスクの接触している顔面の皮膚に発赤が生じたり、

場合によっては傷になることもあります。

 

これはマスクフィッティングの問題も大きいですが、やはりいくらフィッティングをよくしてもずっとマスクで圧迫しているとトラブルは起きやすいものです。

 

・乾燥トラブル

 

マスクは基本的にリークが生じます、

リーク孔から抜けるのが原則ですが

それでも間に合わない空気は抜けやすいところから抜けます。

 

その抜けやすいところは

ある程度こちらで意図的に作ることができます。

 

マスクのベルトは頭側と顎側の2本あるので、

その締める強さによって調節ができます、

とはいっても調節する場合は必ず顎の方から抜けるようにします。

 

なぜかというと、

目の方から抜けると

眼球が乾燥して不快感が強くなるからです。

 

NPPV患者さんのリハに入った後は

必ずフィッティングとリークの確認を行いましょう。

 

腹部膨満感

NPPVはIPPVと違って口から空気を送るので、

その空気が気管にのみ入るのではなく

食道の方に入ることも考えられますね?

 

個人差はあるでしょうけど、

おおよそ食道の圧が20cmH2O程度とのことなので、

IPAPを20cmH2O以上にするとこの可能性が高くなり、

胃に空気が入ってしまいます。

 

腹部膨満は食欲の減衰にもつながり、

嘔気や嘔吐のリスクも高くなります。

 

精神的トラブル

 

とにかく苦しくなると人は不穏になります、当然です。

 

なぜ苦しいのか、アセスメントが必要です、

必ずしもNPPVをやめることが苦痛の軽減ではないことは

知っておきましょう。

 

設定を変えたり、姿勢を変えたり、

ちょっとしたことで落ち着くケースが多いのです。

 

中には呼吸状態が悪化しているケースも混在するので

看護師、医師と協力して解決していきましょう。

 

まとめ

今回はNPPVについてお話をしました。

 

まだお話しきれていないところも

たくさんあるので連載になるかもしれません。

 

NPPVは気管挿管をしなくていい分

侵襲は少ないのですが、それが楽、安全とは限りません。

 

急性期であれば状態の変化に敏感になる必要がありますし、

慢性期であれば継続してNPPVを利用できるような支援が必要になります。

 

呼吸器疾患ばかりではなく、

心疾患でも(特に心不全)利用することが

多くなっているNPPVです、

うまく活用できるようになりましょう。

 

 

【著者プロフィール】

急性期病院勤務理学療法士。専門は内部障害系理学療法。

理学療法士が生涯学べる環境を作りたいと考えています。

ブログ:http://rehaberu.com/ptstudy/

FB:https://www.facebook.com/reha.internal/

 

 

 

 

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