こんにちは、PTみふぁら♪です。
前回の記事では
回復期リハビリテーション病棟の概要について、
制度の経過や目的にも触れながら話を進めました。
今回の記事は、
回復期リハビリテーション病棟のセラピストとして
持っておくべき考え方についてです(^^)/
皆さんはセラピスト10か条
というものがあることを知っていますか?
スペシャリストorジェネラリスト?
さっそくですが・・・
皆さんは、
スペシャリストとジェネラリスト、
どちらを意識していますか?
正解はありませんが、
筆者は回復期リハビリテーション病棟においては
『ジェネラリストのスペシャリスト』
がbetterなのではないかと考えています(^^)/
ではまず、それぞれの言葉の定義を調べてみましょう!!(by大辞林第三版)
【スペシャリスト】
特定分野について深い知識やすぐれた技術をもった人。専門家。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は専門家なのですが、
さらに特定分野についての知識・技術をもった人ということですね。
よくある、疾患別や障害別、部位別なんかになりますかねー。
特定分野『のみ』というように、
特定分野以外は分からないとは記載されていないですね(^-^;
【ジェネラリスト】
広範な分野の知識・技術・経験をもつ人。
広く浅くというイメージで良いですかねー。
でも『浅く』とは書いていないですね(^-^;
さてここで特定分野を
『回復期リハビリテーション病棟』
とすると、
回復期リハビリテーション病棟に特化した知識や技術をもっていれば、
回復期リハビリテーション病棟のスペシャリスト
ということになりますね(^^)v
では回復期リハビリテーション病棟に特化した知識や技術とは?
下の図を見てください。
(医療従事者のための回復期リハビリテーション病棟導入・運営マニュアル100)
これはICFの構成要素に分けて、
それぞれの時期が解決すべき課題を図式化したものです。
急性期であれば、健康状態や心身機能の割合が非常に大きく、
活動・参加・環境・個人は非常に小さく示されています。
また維持期(生活期)であれば、
活動・参加・環境・個人に比べると、
健康状態や心身機能の割合が非常に小さくなっています。
一方で回復期は、
セラピストが得意な心身機能や活動の割合は大きく、
健康状態・参加・環境・個人の割合は小さいものの
急性期ほど偏りはないことが分かります(^-^
つまり、健康状態・心身機能・活動・参加・環境・個人すべてにおいての
知識や技術を持ち合わせていないといけないということになります!!
つまり、ジェネラリストの要素を求められるのが
回復期リハビリテーション病棟の特徴でもあるとも言えます。
よって、
『ジェネラリストのスペシャリスト』
の特性があった方が
回復期リハビリテーション病棟においては活かせると考えます(^^)/
回復期リハビリテーション病棟セラピスト10か条を知っていますか?
回復期リハビリテーション病棟協会が策定した
『セラピスト10か条』
というものがあります。
これは回復期リハビリテーション病棟のセラピストが
業務を遂行したり多職種と協働したりする際に
押さえておくべき行動指針が記載されています。
2010年に第1版が策定され、2018年に第2版に改訂されました。
他にも医師や看護・介護、ソーシャルワーカー、管理栄養士なども策定しており、
それぞれの職種が専門性を活かしながら協働していくために役立てられています。
文言だけを読むと当たり前のことが書かれているように感じてしまうのですが、
より質の高いリハビリテーションを提供するためには、
この文言を臨床的に解釈し応用することが重要と考えます!!
ここからも、
健康状態・心身機能・活動・参加・環境・個人と、
すべての要素にジェネラルに対応していくべきということが分かりますね!!
ICFバランス能力の低下とは?
セラピストの皆さんご存知のICF(^^)v
患者さんのみならず、
実はこのICFにもバランス能力の低下がみられてしまうことを知っていますか?
この図の配置ってよくできていると思いませんか?
セラピストとしての専門性を活かし、
機能面・活動面に介入するのはもちろんのこと、
注目すべきは左下にある環境因子!!
この左下の土台を作っている環境因子が上手く機能しないと
どのようになりますか?
この土台がなくなってしまうと・・・
健康状態、機能面、活動面などのバランスが崩れてしまいます(>_<)
物の支え、人の支え、社会の支えがなければ生活範囲が狭くなり、
動作能力の低下から痛みや筋力・体力の低下などの機能面の障がい、
さらには健康状態の悪化に繋がってしまいます。
リハビリテーション=運動だけではありません。
その語源をたどると、
全人間的復権(社会復帰)とあります。
運動だけではなく病棟や環境(物的・人的・社会的)への働きかけも大切で、
多職種がお互いの専門的な知識を活かし合うことが求められます。
さらに患者さんすれば、セラピスト自身も環境因子ですよね!!
セラピストにジェネラルかつスペシャルな知識や技術がなければ、
ICFがバランスを崩し、
セラピストの存在・質自体が患者さんの予後を左右してしまいます。
さいごに
回復期リハビリテーション病棟におけるセラピストには
『ジェネラリストのスペシャリスト』
という要素が必要だと考えます。
とはいうものの、
セラピストの専門性である機能面の治療をおろそかにしてはいけませんね(>_<)
次回以降は第2条~第10条の文言を紐解きながら、
介入視点や工夫点をお話する予定です。
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