おはようごございます!
PTみふぁら♪です。
前回の記事では、
回復期リハビリテーション病棟の
セラピストの専門性について、
セラピスト10か条も紹介しつつ
全体的な考え方をお話しました。
※前回の記事はコチラから ↓
今回の記事から、
3回にわたっては
第2条~第4条の文言を
紐解きながら、
機能面、活動面、環境面への
介入視点について
少し深めて考えて
いきますね(^^)/
まずは、
「機能面への介入について」
です。
回復期リハビリテーション病棟における『リスク』はセラピストが作り出している?
言わずもがな、
回復期リハビリテーション病棟に
入院している時期は、
機能面の回復を促進すべき時期
です。
ところで貴方は、
国が各病院の質を評価している
実績指数をご存知でしょうか?
少しややこしいので
簡単に言い換えると…
「FIM効率」
つまり、
いかに短い入院日数で
FIMの運動項目をアップさせたか。
早く退院させるほど、
また入院時ADLを
大きくアップさせるほど、
実績指数の値が大きくなり、
質の高い病院として認められ
診療報酬(病院側の収入)が増えます。
この実績指数の導入により、
短い入院中にFIMをアップさせて
いきたいがために、
セラピストが機能面をおろそかにし
ADL重視の偏重が懸念されています。
機能的にも回復する大切な時期なのに、
セラピストという環境面のせいで
機能面の回復を妨げてしまっている
とすると、
これも『リスク』ですよね(>_<)
※Qセラ4-①参照
『自立』よりも『自律』!?
ここで、
『ジリツ』について
考えてみましょう。
回復期リハビリテーション病棟においては、
筆者は、
2つの『ジリツ』の考え方が必要
と考えています。
それは、
『自立』と『自律』
です。
では言葉の定義を…
【自立】他者に依存せずに生活すること
【自律】自らのルールに基づき選び決定すること
『自立』については
大丈夫ですよね?
誰もそばにいない状況下でも
1人でできれば自立
ということになります。
『自律』はというと…
※本当は少し解釈が違うのですが、
セラピストの質を高めるために、
都合よく解釈してみますのでご理解ください(^^;
『選び決定する』
という言葉に着目
してみます。
例えば、
入院中の脳卒中患者が
ベッドから車椅子へ移乗する際に、
非麻痺側から
手すりを使わずとも
自立している
とします。
この時点で、
FIM的には
(起き上がりの項目はありませんが)
満点の7点ですね(^^)v
ここで、
『自律』の登場
です!!
この患者さんが
非麻痺側からの
起き上がりしかできない、
つまり、
選択肢がそれしかないまま
行っている場合と…
麻痺側からの
起き上がりのパターンも
できるし、
なんなら側臥位を経由せずに
まっすぐ起き上がるパターン
もできる!!
でも、
今は非麻痺側からの
起き上がりを選択した…
という場合では、
質が違いますよね(^^)/
FIMの点数=自立にこだわりすぎず、
この動作パターンの
選択肢を増やすために
セラピストは機能面の
さらなる改善に
こだわっていきたい
ですね!!
回復期リハビリテーション病棟では
退院後を見据えて、
生活等の限られた環境でのみ
自立している
『限定的自立(環境限定型ADL)』
ではなく、
生活以外の環境でも自立している
『普遍的自立(どこででもおこなえるADL)』
の視点が重要です。
さらに、
季節感の視点も取り入れられると
質がグッと上がりますね!!
(機会があれば記事にしますね)
リハビリセラピストの介入は横の糸?
縦の糸はあなた♪
横の糸はわたし♪
…
突然失礼いたしましたm(__)m
中島みゆきの『糸』ですね(^^;
運動器リハビリテーション料や、
脳卒中認定理学療法士、心リハ、
肺理学療法などの言葉がありますが…
リハビリテーションの本質は、
疾患に対してではなく、
障害に対して行われるもの
と筆者は捉えています。
もちろん、
疾患特性(リスクや予後など)を
考慮することは必要
です。
こんなイメージですかね↓
疾患別が縦の糸だとすると…
それぞれの障害に対する
横の糸がリハビリテーション
となりますね。
さらに、
それぞれの職種の
専門性を活かしながら
機能面と活動面をリンク
させます(^^)
・理学療法士…身体機能を最大限環境に合わせることで、生活の『幅』を拡大する。
・作業療法士…身体・精神機能や環境により能力を向上させることで、生活の『量』を増加する。
・言語聴覚士…口腔・嚥下機能や感覚を頭頸部で正確に捉えるようにすることで、生活の『質』を向上する。
最後に
実績指数の導入を、
「メリットとするか」
「デメリットとするか」
は、
「セラピストの考え方による」
と考えます。
回復期リハビリテーション病棟に
所属するセラピストの考え方が
ADL向上に偏重しすぎず、
心身機能と能力・活動面を
しっかりとリンクさせていきたい
ですね!!
次回は、
回復期リハビリテーション病棟特有のADLの考え方について
お話する予定です(^^)/
≪リハスト公式質問箱≫
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