おはようございます!!
PT みふぁら♪です。
前回の記事ではADL 向上を目的に、
FIM の本質を整理しつつ、
実際『場面』を場所・時間・心理の視点
から考えてみました。
今回の記事では第4条の文言を紐解きながら、
セラピストの専門性を活かした
『治療的』福祉用具 の活用視点
について考えていきますね(^^)/
※回復期リハビリ病棟についてのセミナーを開催予定!!
セラピストの専門性を活かすなら厚生用と治療用の理解を!!
貴方は脳卒中患者に装具を作製しますか?
いつ頃作製しますか?
筆者は長下肢装具の作製・使用を
推奨している方なので、
できるだけ早期に作製することが多く、
また独歩可能な患者に対しても
長下肢装具を使用することも多いです(^^)/
装具といえば、
残ってしまった障がい、
例えば足尖が躓いてしまうから
装具を作製・使用して躓かないように...
というのが昔ながらの考え方でした。
これは生活の質を向上するための装具、
言い換えると『厚生用』装具
と言います。
つまり患者さんのための装具になります(^^)
短下肢装具であることが多いでしょうか。
一方で、
最近はもう定着していますが、
効果的な治療、
例えば新たな筋活動(機能)を得るための
道具として作製・使用する、
『治療用』装具という考え方が主流
になっています。
極端な言い方をすると、
セラピストのための装具
とも言えます。
長下肢装具であることが多いですね!!
新たな筋活動(機能)が得られれば、
将来装具を外せるチャンスにも繋がりますね(^^)v
脊椎圧迫骨折の患者さんに
必要な時期(脊椎が不安定で痛みが強い時期)に
必要な型のものを作製する、
いわば体幹コルセットと同じだと
筆者は考えています。
つまり、
この治療用装具は、
装具を外すための装具
というわけですね!!
『治療的』福祉用具って?
ヒトは常に動いています。
呼吸、飲食、重心、睡眠、臓器・・・
効率的に動くためには、
セラピストの専門性(機能面の改善)を活かし、
福祉用具を『●●ができな いから使う』ではなく、
『できるようになるために使う』視点で
考えてみることも大切
と考えま す!!
治療用装具ならぬ、
『治療的』福祉用具
です(^^)/
例えば、
右片麻痺患者のベッド上
ポジショニング時のクッション...
右下肢が内転位となり
左右下肢が重なり合ってしまう場合、
拘縮や擦傷の予防だからといって
左右下肢の間にクッションを入れる。
これは対症的で、
原因に対処できていませんね(>_<)
下肢が内転してしまう原因が、
右殿部や頸部の支持基底面の狭小による
臥位姿勢の不安定性に伴い、
筋緊張を高めた結果だとしたら、
右殿部や頸部後方にクッションを入れます。
そうすることで、
より安楽な姿勢での臥位となり、
自発的な運動の促通や意識障がいの改善、
心肺機能への負荷の軽減
などが期待できます!!
さらに、
足底にクッションを
入れておくことで、
立位の準備のための
感覚入力や筋活動の促進
にもなります(^^)/
また、
トイレなどで縦手すりを使用する場合、
低い位置を握ることで引き込んでしまう
ことが多いと思います。
この際も、
縦手すりの高い位置を握り
体幹伸展位にすることで、
側腹筋を伸張位に保持する、
いわば、
治療的ADL 介入が可能
となります!!
このような考え方が、
前回のQセラで話にあがった
モーニングケア・イブニングケア時に
セラピストがお手伝いではなく、
専門性を活かしながら
介入する意義に繋がると考えます(^^)v
施設退院患者に特化した福祉用具の視点
回復期リハビリ病棟は、
在宅復帰を目的とする病棟ですが、
現実はそう甘くはありません(>_<)
患者の状態や自宅の環境、家族の意向によって、
介護老人保健施設や有料老人ホーム、
特別養護老人ホームなどへ入所する方もいます。
施設への入所方針が決まった
患者さんへの目標が『維持』
となってしまうことも
よくみかけます。
セラピストとしては、
将来を見据えて最大能力を引き出したり、
生活の中で活用したりできるように
回復期リハビリ病棟に入院中、準備しておきたい
ですね!!
例えば、
リクライニング車椅子に乗車している重度障がい患者さん...
介護老人保健施設への入所者さんは
その施設に留まることなく、
定期的にいくつかの施設を転々としてしまう
ことがあります。
また、
施設ごとに揃えている
福祉用具に差があったり、
別の入所者が使用していたりする
場合があります。
つまり、
退院後に入所した1つ目の施設には
リクライニング車椅子があったとしても、
次に転所する施設には
普通型車椅子しかなかったり
リクライニング車椅子があったとしても
別の入所者が使用したりしている可能性
もあります(>_<)
このような様々な可能性を考慮し、
回復期リハビリ病棟に入院中から
リクライニング車椅子だけではなく、
普通型車椅子への移乗・乗車・座位・駆動の練習
を行っておいたり、
その際の患者の
心肺機能や筋緊張の変化
などを評価しておき申し送りをしたり...
予後や身体機能の評価に長けた
セラピストの専門性を活かすことができます(^^)/
※具体的な申し送り(連携)時のポイントについてはまた記事にしますね!!
さいごに
今回は、
セラピストの専門性を活かした、
機能面の回復を促進する手段としての
福祉用具の活用の視点について
考えてみました。
在宅復帰の患者はもちろん、
個別リハビリの頻度が減ってしまう
施設入所の患者こそ、
『治療的』福祉用具の視点が重要
ですね!!
次回は『リスク』について違った視点から考えてみます(^^)v
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