おはようございます!
PTみふぁら♪です。
前回の記事では、
機能面の回復を促進する手段としての
『治療的』福祉用具の視点について
考えてみました。
今回の記事では第5条の文言を紐解きながら、
『リスク』の本質
についても考えていきますね(^^)/
※回復期リハビリ病棟についてのセミナーを開催予定!!
守りのリスクと攻めのリスク!!
『リスク管理(リスクマネジメント)』
と聞くと何を思い浮かべますか?
転倒予防?
脈拍や血圧など、いわゆるバイタルを測ること?
・・・
Wikipediaさんによると、
『リスク』とは・・・
行動に伴い、あるいは行動しないことで危険に遭ったり損をしたりする可能性。
とあります。
さらに日本看護協会によると、
医療におけるリスクマネジメントの目的(日本看護協会)は・・・
事故防止活動により組織の損失を最小に抑え医療の質を保証すること。
とされています。
『行動に伴い』
『危険に遭ったり』
『損失』
という
言葉からイメージする『リスク』
つまり、
悪化の予防が
我々セラピストが
意識しているものに近い
ですかね。
前述した転倒予防やバイタルチェックなどは
現状よりも悪化しないようにする。
つまり、
「リスク=守る」
といったところでしょうか(^^)
一方で、
『行動しないことで』
『損をしたりする』
『医療の質を保証する』
という言葉を紐解くと、
「リスク=攻め」
と捉えることができます。
セラピストの専門性である
機能面の回復や能力面の改善に向けて
最大限の結果を残せていない
ということは、
これも『リスク』になると考えます(^^;
猪股ら(2018)は、廃用症候群を・・・
1.『動かせない』 …疾病・外傷などでの安静による
2.『動かない』 …引きこもり・意欲低下などによる
3.『動かされない』…治療者の誤判断や施設間の連携の不十分さによる
と分類しています。
1.はある程度仕方がない部分はありますが、
それでも介入できる可能性はあります。
医師に『安静度は?』と聞くよりも、
『活動度は?(どこまで動いてよいか)』
と聞くことで許可されるもの
もあります。
2.はセラピストの能力によって左右されますし、
3.については言うまでもなく
予後予測が得意なはずの
セラピストの働きかけに
大きく影響されますね(>_<)
ICFの人的環境=セラピストでもありますね!!
このように考えると、
回復を阻害することもリスク
ということになります。
回復期版転倒アセスメントシートって?
筋力や歩行速度と転倒との関連性など、
転倒に関する研究は多くなされていますが、
適応に悩むことが多いと思います。
対象者が、
入院中の患者なのか?
地域在住の高齢者なのか?
健常者なのか?
などによっても
いわゆる「カットオフ値が違い」ますね(^^;
回復期リハビリテーション病棟(の脳卒中患者)に特化した
転倒アセスメントシートがあることをご存知でしょうか?
回復期リハビリテーション病棟協会(2008)が、
全国の17の回復期リハビリテーション病棟において約1年間、
1,107名もの脳血管疾患患者を対象に調査しています。
結果のポイントは・・・
・33.8%が1回以上転倒
・ベッドサイド・トイレで70%以上(80%以上が車椅子)が転倒
・入棟1ヵ月以内で59.1%(1週間以内で25%)が転倒
・6~9時、18~19時の転倒が多い
また、
転倒と関連性が強い
16項目が挙げられており、
さらに8項目へ重みづけが
なされています。
この、
8項目の情報を重点的に把握し、
さらに合計点から転倒の可能性の層別化ができる
ということです。
層別化するだけでは
意味がありませんが、
どのような対策をすべきか?
が層ごとに考えられます!!
・環境…ベッド周辺、車椅子、補助具、見守り強化、センサー、身体抑制など
・身体…筋力増強、バランス能力向上、柔軟性向上など
・精神…ナースコール使用喚起、与薬、排尿や行動要因の評価など
・その他…ヒッププロテクター、床上マットレス、ステッカーなど
さいごに
『リスク』の捉え方を変えることで、
攻めと守りを切り替えながら
評価・介入できます(^^)v
回復期リハビリ病棟の
セラピストの専門性については
今回の記事で一旦終了としますが、
後半の6条~10条については
来年のシリーズで
記事にさせていただきます!!
2020年も質問にドンドン答えていきますので、
Qセラシリーズを引き続きよろしくお願いいたしますm(_ _)m
≪リハスト公式質問箱≫
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